ただの医学生が気ままにつづる日記

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医学生が地域枠について考える

こんにちは、たまこです。

 

今日は地方国公立大学の医学部にみられる地域枠について考えようと思います。

 

私も地方の国立大学医学部です。

地元の人間ですから、もちろん地域枠です。

 

この地域枠って何?って人もいるかもしれないのでまずは地域枠について簡単に説明しますね

 

地域枠とは?

 

地域枠っていうのは、地方の医師不足を解消することを目的に、大学卒業後9年間その地域で働くことを義務として入学させる制度のことです。

 

倍率が低くなるので入りやすいっていうのがメリットなんですかね。

ですから、関東とかの医学部に入りたかったけど浪人して結局地域枠で入る人とか、どうしても医師になりたくて地域枠狙って来る人とかもいます。

 

あとは、奨学金がでる大学もあるみたいですね。羨ましい……(私のとこは全然ないです)

 

まあ、言ってしまえばお金あげるから地方においでってことです笑(口が悪いですね)

 

高校生に選択させるのは酷

当時高校生だった私は、この義務の意味を軽く考えていました。

 

「まあ、地元だし結局はここで働くことになるんだろうな」

「もしやりたいことが見つかってもどうにかなるでしょ」

と、あまりよく考えずに決めていたのです。

 

入学する時に書いて提出させられる誓約書というものに何やらやり過ぎ感を感じながら提出し、無事合格となりました。

 

しかし、実際に入学して過ごしてみると、一般枠の生徒はいいなぁと思うことが結構あります。

 

一般枠の生徒は卒業後の将来の選択肢が無限大なのです(少し言いすぎましたかね)

 

地域枠は卒業後の初期研修2年間、その後の後期研修、その後専門医を取得してからも数年間、ずっとその地域にいなければなりません

 

もし、他にやりたいことが見つかったらどうするのでしょう?

 

他県の人と結婚したらどうするのでしょう?

 

子供ができたり病気をしたりしたらどうなるのでしょう?

 

私は自分を馬鹿だと思いました。

誓約書にはそういう詳細なことや例外的なことは書かれていませんでした。

 

大学の説明会でも、担当の人が地域枠について説明していましたが、そういうことにはあまり触れていません。

 

「国内留学制度もありますから、ずっとその地域に縛られるというわけではないんですよ」

 

そういう説明を受けました。

でも、実際に入学して先輩方の話を聞いて始めて気づきました。

 

初期研修をその地域で受けて、数年間働くということは、その他の場所に移りづらくなるということです。

ずっとその地域にいたのでは他の県の病院と人脈もあまりできませんし、何より慣れてきて

「まあ、ここでもそれなりにやって行けてるしこのままでいいかな」

と思ってしまうといいます。

 

逃亡者と言われる

私の大学では、地域枠でありながら他県の病院で初期研修を受けたくて逃げる学生がいるそうです。

 

みんな逃亡者と呼んでます

教授たちも呆れています

 

しかし、私は6年間もいたのにその地域で初期研修を受けたくないと思ったのであれば、無理に縛るのは違うと思うのです

 

6年間の間にその地域で医療をする魅力を伝えられなかったことを棚に上げて、約束したら当然だろというのはいささか乱暴な気がします(自治医科大学みたいに奨学金ある大学は別ですが)

 

さらに、こういう逃亡者が出ないように地域枠の学生を受け入れた病院にその学生のことを知らせたり、補助金を減らすなどといったことが行われているそうです。

 

しかも、最近では編入する学士の人達は全員初期研修の2年間を地域の病院で受けなければならないそうです。

 

つまり、2年間地域にいることを約束しなければ合格させません!ということです

 

完全に自由を奪っちゃってますね

 

その地域の人間として、もちろん医師不足はとても深刻だと思います。

専門医がいない診療科もありますから笑

 

ですが、そこまで縛り付ける権利があるのでしょうか…

 

結婚や出産、病気は考慮される…?

 

さきほど述べた結婚や出産はどうなるのでしょう?

 

これについては、入学したあとに、考慮されると聞かされましたが、どの程度考慮されるのか分かりません。

 

それが義務年数に含まれるのかも分かりませんし、何年間までとかも分かりません。

 

もし立て続けに5人子供を産んだらどうなるでしょう?笑

5年間免除されるんですか?それとも5年間休んだ後さらに5年地域にいないといけないんですか?

 

この地域ではできないことが見つかったら?

 

幸い私は地域でしばらくは働くつもりですが、私には海外の発展途上国で医療支援に参加したいという目標があります。

 

ずっと海外にいるわけではないので、基本は地域の病院に在籍してたまに行く感じになると思いますが、それが許されるのかは分かりません

 

ここが医師不足なのに他のところに支援に行くのか?と言われそうですから

 

そういう場合は諦めるしかないのでしょうか?

そもそもお金を貰っているわけでもないのにどうして縛り付けることができるのでしょう?

 

そのへんがちゃんと説明もないしよく分かりません。

 

まとめ

 

さて、実際に地域枠の立場で色々考えてみましたが、やはり納得できない部分もありますね。

 

ちゃんと説明されてから入学していればこんなことにはならなかっただろうに。

 

私の周りでは関東からきた子で結婚して逃げると言っている人が結構います笑

 

地域の医師不足の問題は、地域枠という形だけのものでは解決しないと思います。

もっと根本的なことから変えていく必要があるのではないでしょうか?

 

色々言ってきましたが、自分の地元なのでしっかり勉強して医師になって少しは貢献出来たらなと思います笑

 

私の地元に魅力を感じて残ってくれる医師が増えますように

 

それでは